ドーンッッッ!!
犠牲
体育の時間だろうか。
校庭の方から、生徒達のはしゃいでいる様な声が聞こえてきた。
ここに居る全員は、空澄の話を聞いて声を失っていた。
仕方のない事だろう。
信じて疑わなかった創造主の失態と想いに、直に触れたのはこれが初めてなのだから。
話し終え、多少の疲れを見せながらため息を吐く空澄は
彼女達の様子に『理解はできたみたいだね』と低い声で呟いた。
沈黙が続きそうになり、何かを言わなければ息苦しさが増すだろうという思いからか、俺は疑問に思っていた事を遠慮がちに尋ねてみる。
「あの…さ。“ガンノードの想い”ってなに?
それに、何で別次元の話をお前が知ってんの?」
「………“ガンノードの想い”は、僕らの憶測でしかないんだ。幾ら神でも人の考えまで把握できないから。
その憶測で良いなら、だけど。
多分彼女は、“愛”を知りにここへ来たんじゃないかな。
アローマデンクの付近の、生命活動がある星を点々として愛をもつ者を探していたんじゃないかと上は考えてる。
愛は星を守る為に必要な事だからね。…まあ、憶測は憶測だし、間違っているかどうかを確かめるためにもガンノードに接触する必要があるんだけど。
それと…ああ、何で僕がデブラの行動を知っているのか、だったね。
別次元だろうと何だろうと、神ってのは同じ種族なんだよ。
会社で言うと、別の部署ってところかな?神の頂点に居る方は全宇宙を見守っておられるから、社長みたいな感じだし。
だから情報が廻ってくるのは早いんだ。組織ってのはそういうもんでしょ?」