ドーンッッッ!!


頭の血管が切れそうだったが、なんとか留めて

空澄の答えをじっと待つ。


そんな俺の様子に気づいているのか居ないのか。彼は腕を組み、ニヤついた顔のまま、すたすたとその辺を歩き回りながら言った。



「今まで散々話して来た事をもう忘れたの?

ガンノードは何を求めてここに来たんだっけ?」



ピンと来た。


「愛か」


「うん、遅い。キミは京太郎君の何を見てきたの?
心配してる割に、何も分かっちゃいなかったんだね。キミの主成分は鈍感です」


え…毒舌を通り越してイジメになって来てやしませんか…?


だけど。


ホントに俺はアイツの何も分かっちゃいなかったんだ。


さんざアプローチされてきたのに、相手が男だからって半分位は冗談に捉えてた。


いや…。


気付いていたけれど 気付かないふりをしていたのだ。


ゲイや性同一性障害なんかに偏見は無いが、自分の周りに実際にいて、俺に対して好きだと言ってくれて。


冗談と捉える以外に、どうやって接したらいいのか分からなかったのかもしれない。



ガンノードと対峙して失った物が愛なら、俺は京太郎に対して、今までどんなに酷い事をしてきたのだろうと自己嫌悪に陥る。


「馬鹿だよねー。彼の想いに気付かないなんて。今までどれくらい気を持たせる様な事をしてきたんだろうねぇ?」


その通りだ、と思う。



だけど



きっと俺は、友達として京太郎と接したかったのだ。


好意を持ってくれるアイツと友達でいたかった。

友と呼べる人が居ない俺だから、気軽に話しかけてくれる京太郎を、その心地よさを


振る事で失いたくなかったんだ。



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