ドーンッッッ!!
選択肢、4つ。
貴重な炭水化物を失う事に、かなりの勇気がいったが…
緊急事態なのだ。いた仕方ないのだ と自分に何度も何度も言い聞かせ
鍋に多めの水をはる。
始めちょろちょろ中ぱっぱ。
ふつふつと、とろみの付いた泡が爆ぜると 甘い米の香りが鼻を擽って 消える。
「そろそろ…いっかな」
ときほぐした卵と、色付け程度の醤油。
それを鍋に入れると、一層の良い香りが部屋中に広がった。
途端に、今まで黙っていた腹の虫が叫んでいるかの如く騒ぎ始める。
そいつが居る辺りをぎゅっと押さえこみながら、小さな器に鍋の中身をよそった。
我慢だ、太陽。
今月の食費はかなりのギリギリで このおかゆだって一人分を作るだけでいっぱいいっぱいではないか!!
あー…。
やっぱり卵は勿体なかったかなー。
だが。あんなに凍えている彼女を見て 少しでも栄養のある物を食べさせてやりたいと思う事に嘘はない。
倒れてしまった彼女を俺の煎餅布団に運んでやった時、かなりの熱がある事に気付いてしまったのだ。
きっと風邪だと思うが…。こういう時にしてやれることがこれぐらいしかないのだから。
仕方ない。仕方ない。
だが…
ぐうううぅぅぅぅぅ
腹、減った……。