ドーンッッッ!!



「あのさぁ…」

悩み始めてしまった俺に、ブラスカさんが苛立たしげに話しかけてくる。



「あたしはその男の事もしらねぇし、そいつがどんな状況だとかもしらねぇけど。

うだうだ悩んでて解決すんのか?それは」


髪をグシグシと掻きまわしながら。『ここの人間はみんなこんなんなのか?』なんて毒舌も交えて。


でも、何だか気が晴れた気がした。



「そう…ですよね。ガンノードをなんとかしなくちゃ、解決なんてしないですよね…」


「良かったね。元気になったみたいで」


「空澄。お前は俺を追いこみ過ぎだ」


「ええ~っ!!?僕は良かれと思って…!!立ち直るきっかけを…!!」


…まだ何か言っているが、この際放っておく事にした。




大きくため息を吐いて、これからどうするつもりなのかを聞き出そうとした時。


ツンツン。


シャツの裾を引っ張られる。


振り向くと、ルナが上目づかいで俺を見つめていた。


「…何?」


「タイヨウ…。あの…。


大丈夫ですよっ。私達が付いていますし…その…だから…


元気出して下さいねッ」



………きっと俺は


ここに空澄達が居なかったら。



彼女を抱きしめていたに違いない。





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