ドーンッッッ!!
咳き込みながら、正面に居る天使に怒鳴りかかろうとした。
だけど…
「タイヨウ…」
その表情は、今まで見た事のない様な、複雑そうな顔をしていて
「…な…何だよ…」
思わず駆け寄りそうになってしまう。
「不毛な恋を、キミにはさせたくない」
「あ?」
唐突だった。
一瞬、何の事なのか 思い浮かばなかった。
混乱する俺に、紡ぐように ゆっくりゆっくり、彼は言葉を繋げる。
「…分かってる…?
幾ら彼女の事を好きになったとしても、彼女は誰かを愛する事が出来ないんだよ…?
それに、彼女達には性器が無い。デブラ自信がそうしたからさ。
男という性別が無い以上、子宮は無くても困らないものだからね。
つまりは、子どもが産めない。身体を繋げて愛し合う事も出来ないんだ。
…ここまで言えば、分かるよね?
プラトニックな関係なんて、キミみたいな若い男の子には無理だよ。
今は良くても 後々、それが足かせとなる。
だから。キミに辛い思いはさせたくない。
天使としての慈悲じゃない。空澄として、友人としての忠告だよ」