ドーンッッッ!!
何を言うのかと思えば…。
「…あのなぁ。確かにそういう事もしたくないわけじゃねぇよ。俺だって男だし、女の子の柔らかい体は好きだ。
でも、本当に好きな子だったら 触れることすら怖くなっちまうんだってーの。
ルナはさ、異星人だし 身体の造りだって何か違うんじゃないかって前々から思っていた事だ。
だからって言う訳じゃないけど、身体で繋がるよりも、先ずは心が通じ合いたい。
最終的に…シたいと思うようになったとしても
それはその時に考えても遅くは無いんじゃないのか?
若い男の純情さを見くびるんじゃねぇよ」
綺麗事かもしれない。
紳士ぶっていても、きっとどこかで化けの皮が剥がれる。
でも、俺は
ずっと紳士的でいられる わずかな可能性を信じていた。
大好きな子だから…大切にしてやりたい。真っ白なままでいさせてやりたい。
それじゃあ、ダメか?
他でもない俺の事だから 誰が何と言おうと、俺だけは自分を信じていたいんだ。
「…全く、呆れるね。馬鹿すぎるよ太陽はさ。
いつかその考えが身を滅ぼすことにならない様、見守っててあげるよ」
「…なんだ、ストーカー宣言か?」
「はいはい。ストーカーで結構ですよ…っと」
空澄は、立ち上がりながらほこりを払い スッと俺に手を差し伸べてきた。
「大丈夫。僕がなんとかしてあげるから」
「…?」
その、透き通りそうな白い手に引かれ ゆっくりと身を起こす。
最初に見た時以上に柔らかい笑みを浮かべながら言った言葉の意味を知るのは
まだ先の事……。