ドーンッッッ!!
「まあ、良い。
水色の子、太陽君を宜しく頼むよ」
「ふぇ…?は…はい…?」
本当に、何を言い出すんだこの人は。
初めて会った時は葬式だったが、その厳格な表情とオーラに圧倒された。
でも知りあって行くうちに、その物言わせぬ雰囲気は外面であって
気の許した相手にはエロ住職として通っている事を知った。
がっかりはしたものの、エロ住職になっても言う事はとても胸に響いて…。
この人の事を、本当の家族と思うようになったのだ。
そんな信用に足る人の所に、家族の墓を置いてもらえて。幸運なめぐり合わせに感謝した事は今も変わらない。
「…さて。じゃあ行っておいで。戻ってきたら本堂に立ち寄りなさい。
檀家さんから頂いた美味しい茶菓子を御馳走しよう」
そう言って手を振りながら見送ってくれた住職に、ルナも笑顔で手を振り返していた。
「何だか…優しそうな方ですねッ」
「そうだな。あの人は、どんな人にでも分け隔てなく接してくれるから。
こっちまでそれに乗せられたように、どんどん信用しちゃうんだよなぁ…。
鬱陶しかったけど、今は本当に感謝してる。
…ここが、俺の本当の家族が眠っている場所だ」
本堂から幾らも離れていない場所に、大きな屋外の納骨堂がある。
スペースを幾数にも分け、その一角を墓とする、集合墓地の様なものだ。
「…なあ、不謹慎かもしれないけど。
アローマデンクの人達は、亡くなったらどうなるんだ…?」
引き出し程の、小さな観音扉の前に花を添えながら問う。