ドーンッッッ!!
ルナは、小さく笑みを作って 少しだけ寂しそうに言葉を紡ぐ。
「…私たちの寿命はとても長いです。何年も何年も、同じような時を、同じような人たちと ただただ過ごすだけ。
それが嫌だという訳じゃなくて…。
永遠のように、いつも一緒だと思っていた人が死んでしまう事に、何度も苦痛を強いられました。
それに…こことは違って、私達にはお墓というものがありません。
生命を経つ時には、身体ごと消滅してしまうからです。
ある日突然、砂のように風に浚われて行くのだと聞きました。
残された衣服で誰が亡くなったのかを知るだけ。
こんな風に亡くなった後も会いに来れるなんて、何だか羨ましいです」
「それは――――……」
…デブラは、何故そのような仕組みを作ったのだろうか。
逝く人だけでなく、残された人たちの支えにもなるから
ここではこうして墓を作り、何度も故人に会いに来る。
そうすれば、ずっと一緒なんだと感じる事が出来るのに。
「神はもしかしたら、故人を懐かしく思ったり、悲しんだりする事も不必要だと思ったのかもしれません。
私たちが、一生かけて悲しむよりも
デブラがずっとずっと悲しんでいた方が、私たちが幸せだと思っているのかも知れませんね。
…それだけ、私たちは大切にされているのですから」
「そう…かもしれないな…」
たったひとりで全てを背負いこみ、他人の悲しみをも自らの物とする。
聞かなければ分からなかった事だが、デブラは、相当苦しんでいる事だろう。
こんなことまで一人で背負って良い筈が無い。
それに…