ドーンッッッ!!
カルマ
「良いですか?この私が、このわーたーしーがッ!
わざわざ調達してやったトランシーバーを持って、指定した配置に向かって下さいよ。
くれぐれも、勝手な行動や、トランシーバーを紛失する様な事があったら、その時は
覚悟して下さいね?」
透き通った金色の長い髪を、一つに束ねた光夜さんが、ブラスカさんに向かって牽制していた。
どうやら彼にも、苦手な女性が居るらしい。
ブラスカさんはと言うと、いつもの如く、耳を穿りながら話し半分で『へーへー』とやり過ごしている。
あの話し合いから10日。
ついに今日俺たちは、ガンノードの捕獲作戦を実行する。
何故10日も経ってからかと言うと、
一応保身の為、ブラスカさんから護身術を習っていたのだ。
それはもう、地獄以上の特訓でした…。
その間、空澄は被害者の最後の記憶を集めて分析し、どの場所にガンノードが現れるのかを割り出した。
ルナとカナタは、空澄が出した場所に結界魔法を張って、一般生徒を近づけないようにしてくれたようだった。
そしてその場所とは、人気のない第二校舎だった。
移動授業でしか使われないその場所は、何だか薄暗くて、心なしかジメッとしている。
そんな場所に現れるなんて、合い過ぎてて逆に怖い。