ドーンッッッ!!
「この配置を守ってくれよ。
これならどの場所に現れても、誰か一人は駆け付ける事が出来る。
最初に姿を見せるのが、囮の前だとは限らない。
見つけたら直ぐにトランシーバーで連絡する事。
カナタちゃんは一人じゃ危ないから、ブラスカさんと一緒に行動してくれたまえ!」
いつから光夜さんはリーダーになったのか…。
配置図を地面に置いて、偉そうに説明をし、最後はカナタにウインクしていた。
三階まである第二校舎。
三階には光夜さんとアイユ。
一階にはブラスカさんとカナタ。
そして、そのどちらからも駆けつけやすいように、囮の俺は二階に決まった。
コの字形をしている校舎なので、曲がり角にはアイユと空澄を配置し、その真ん中で待機する事になっている。
「太陽、大丈夫?」
黙りこくっている俺に、空澄が心配そうな面持ちで話しかけてきた。
「…緊張はしてる。でも、皆が居るから、不安じゃない。
大丈夫だよ、お前、強いんだろ?」
何かあったらお前が守ってくれよ、と、少し縋ってみる。
何を思ったか、空澄は、顔をくしゃくしゃにして笑って
俺を抱きしめてきた。
「だっ…ちょ…!~~~~!!なんだよッ!!」
どうしていいか分からない両腕が、わたわたと空澄の背後で踊っている。