ドーンッッッ!!
暴れる俺を抑えつける様に、空澄の力は一層強まる。
首が締め付けられて気を失いそうだ…ッ!!
「…おい、いい加減に…」
「嬉しいんだ。
最後にキミが僕を頼ってくれて…。
…大丈夫。キミだけは守って見せるよ」
ゆらり。
身体を離して、笑った。
何故、胸が苦しいんだろう。
この胸騒ぎは何なんだろう。
空澄の笑顔は、俺を酷く混乱させた。
「…さ、もう日も暮れたし。行こうか」
言いながら立ち上がった空澄の目が、太陽と入れ替わりに出てきた
月の光で光って見えた気がする。
「…タイヨウ…?」
「ん?…ああ、行こう」
移動し始めた皆の後を、ボーっと見つめている俺にルナが駆け寄って来た。
ゆっくりと足を動かしながら、空澄が何故涙を浮かべたのかを考え
一つの結論を出して
忘れた。