ドーンッッッ!!



忘れたかった。



俺の予想している事が、きっと涙の理由だから。



考えたくない結末を、俺はずっと、頭の中でリピートする。



考えたくない。



考えないようにしなきゃ。



そう思う事が、考えているという事なのに。



“…ザッ…準備…完了”


インカムから聞こえてきた光夜さんの声で、いつの間にか皆、配置に付いていた事を知る。


何…やってんだ、俺は。



こんな時に、確証も持てない先の事を悩んでどうする。



“ザッ…囮、配置に向かえ…くれぐれも…油断だけはするなよ”



そうだ、今は他の事を考えてる余裕なんてない。



ここに居る皆の、ここに来た目的を



俺が達成させてやるんだから。



「…行きます」






不思議と、震えだけはこなかった。




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