ドーンッッッ!!
予定していた場所に到着し、取り合えず指示を待ってみた。
こんな暗がりに一人でいる事が、歩いている時の何倍も怖い事を初めて知る。
来るなら…来い!
握りこぶしを作りながら、半ばヤケになってそう思った時だった。
“ザザッ……標的の気配を感じ取った。…上…天井裏に…!”
アイユの声が脳内に響き、思わず上を見る。
その途端、三階から窓ガラスを破る音が聞こえてきた。
“きゃぁぁぁああああ!!!!!”
インカムと、本当の声が廊下中に響き渡る。
「アイユ!!」
無線機に向かって叫んでみるが応答は無い。
色んな場所から、バタバタと足音が聞こえてきた。
そのひとつが俺の背後から近づいてくる。
「タイヨウ…!!アイユちゃんが…!!」
「ルナ!!行くぞ!!」
不安げな彼女の手を取り、上へと続く階段を目指す。
くそ…ッ!!
来るなら俺の所に来やがれよ…!!!
走っている途中にも、ガラスの割れる音や大きな地響きのような音も鳴り、益々足を速める。
階段に差し掛かると、空澄が踊り場に立っていた。