ドーンッッッ!!
女の子は、染めたのであろう、髪の色と同じ色をしたまつ毛を2、3度上下させると
同じく水色の大きな瞳で俺を見つめ
「クイーンベルドは、私の…私達魔女の住処。
それはこの世界にはない。けど、全くの別世界の物でもない。
“こちら側”の言葉を借りると
『パラレルワールド』…というものに近いと思われます」
………なんだ、それは。
やっぱりぶっ飛んでるのか?コイツ。
SF寄りの話は苦手なんだよ、俺。スターウォーズだって、猿の惑星だって、俺にとっては
『良く分かんないけど、頑張れ!!』で終わった映画なんだぞ?
そんな奴に、今初めて聞いた様な単語を使われてもどうしようもない。
「………分かった。取り合えず、寝てくれ。な?」
やっぱり、アキバ系かなんかな上に、熱に浮かされて変な事を口走っているに違いないんだ!!
彼女は尚も、『聞いて下さい!!』と俺に泣きそうな目で訴えてくるが
こればかりはどうしようもないだろう。
俺は魔法とか、異次元とか、宇宙人とか、幽霊とか。
目に見えない物を幾ら説明されたって理解できないし、するつもりもない。
百聞は一見に如かず とは良く言ったもんだが
それが出来るもんでなけりゃ納得なんてできっこないと思っている。
やれやれ、と言った感じでため息を吐いて見せ
逃げるかのように、風呂のお湯を溜めに行った。