ドーンッッッ!!
焼きつくような長い髪を靡かせ、一気に階段を駆け上って行くブラスカさんと
息を切らしながら必死でそれに付いて行くカナタ。
踊り場を曲がって姿が見えなくなった所で、ブラスカさんの声を聞いた。
「やっと出番かオラァ!!
テメェらが逃げてる間位守り切って見せっからよォ!
後はテメェらでなんとかするんだな!!」
彼女の潔さと、強さに 胸の奥が熱くなるのを感じた。
今まで以上に派手な音が聞こえる中
二階に降り立った俺たちは、ひたすらに長い廊下を走った。
走って走って、ようやく空澄が立ち止まった場所は。
「科学室…」
ガラリとドアを引き、躊躇なく中へと足を進める彼を取り合えず追いかける。
「こんな場所で戦えるのか?」
床に直接張り付けてある机はどうしても動かせないし、
塩酸やら液体窒素やら、下手に動いたら俺たちまで危険になる様なものばかりがある場所だというのに。
「大丈夫だと思うけど。
僕が使うのは、触っても、ソレ単体じゃあんまり危険じゃないものだから。
ルナ、ちょっとお願いがあるんだけど…」
俺の方を見もせずに、ルナに耳打ちして何かを支持する空澄に、少し違和感を覚えた。
って言うか、“ソレ単体じゃ危険じゃない”って事はさ、つまり…
混ぜるな危険
って事じゃね?