ドーンッッッ!!
妙な胸騒ぎもしたが、今はコイツに任せるしかない。
ルナも、少し戸惑った様子だったが『わかりました』と、頷いて作業に取り掛かる。
「さて、ルナがここに強力な防御魔法をかけている間、キミには少しやってもらいたいことがあるんだ」
月光に照らされ、ニコリと笑う空澄が、今までで一番恐ろしく感じた瞬間だった。
手渡されたのは、幾つかのガムテープ。
「これで、この部屋の隙間と言う隙間を塞いで欲しい。ここの窓と入口だけは塞がなくて良いよ。
窓枠も忘れずにね」
訳は分からないが、どうやらこの部屋を密閉空間にしたいらしい。
俺が地道な作業をしている間に、ルナは結界をはり終え
転送魔法で、よく見なれたある物を、自分の手元に落とした。
それを見た瞬間、嫌な予感はやっぱり当たっていた事を知る。
「あ…空澄!!お前、まさか…」
「あーはいはい。苦情は後でじっくり聞くから。
ほら、手が止まってるよ!隙間風が命取りになる事くらい、分かるでしょ?」
やっぱり…やっぱり!!
コイツはこの部屋を消し去るつもりなんだ!!
ルナはきょとんとした顔で、手に持っていた袋をつまんで眺めていたが
直ぐに俺の手伝いをしに来てくれた。
「なんだか、今から料理でも始めそうな感じですね…」
料理で済めば、どんなに気が楽だろうか…!!