ドーンッッッ!!
サンクチュアリ
ギジギジギジギジギジギジギジ
ギジギジギジギジギジッ
ギィ…
カラカラカラ……
ギジッギジッ
薄い霧の様な、白雲の様な。
白い靄(もや)の中を、赤い光が移動する。
視界は遮られているのに、赤い光は躊躇することなくこちらへと向かってくる。
隣に居る彼女が、震える手で俺の服を掴んだ。
「タイヨウ…」
こんな時でも、そんな仕草がとても愛おしく感じてしまう。
「ダイジョーブ。…俺が、なんとかしてみるから」
もし、この作戦が上手く行かなくても
きっと俺は、コイツだけでも守り切って見せるんだ。
戦って勝てるような相手じゃないってことくらい、俺にも分かってるけど
卑怯な手だってなんだって、ルナの為ならなんだってやれそうな気がした。