ドーンッッッ!!
服を掴んでいた彼女の手を外し、自分の手で包み込む。
ギュッと力を加えると、直ぐに折れてしまいそうな位 細く、小さかった。
すると、突然。
今まではゆっくりと歩く様な早さで移動していたガンノードが
物凄い早さでこちらに向かってきたのだ。
ギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジギジ
思わず目を瞑る。
暫くの間、そんな音が鳴り響いていたのだが
ある時、フッと消える様にして音が無くなった。
……何だ…?
恐る恐る目を開け、ガンノードの姿を探そうとしたのだが。
「ヒィッ……!!」
目印だった赤い光は自分の目の前にあった。
息が荒くなる。ルナは…大丈夫なのか?
不安に思いながら、ガンノードの大きな口元から垂れ流れる
涎の様な液体が、べチャべチャと床に滴るのを聞き
そして…
ぽっかりと開いた、黒い闇の様な口から 電子音の様な声が耳に入ってきた。
『見ツケタ』
なんだ?と思うのと
「今だ!!」
と叫ぶ空澄の声を聞くのは同時で。
思考回路が思うように働かない内に、俺の身体は宙を舞っていた。