ドーンッッッ!!
「そこー!イチャこいてないで、仕事仕事!!」
微笑み合っている俺たちに、逆恨みともとれる空澄の怒声が聞こえて来る。
「わぁってるよ!!」
「ふふ…ッ。じゃあ、もうひと頑張りですねっ」
ルナに手を引かれ、一旦地面に降り立つ。
そこで俺は、空澄に指示され、非難させていたボンベの様なものを抱えてから、また魔法陣に乗った。
そして、未だごうごうと燃えあがる科学室の前に移動する。
「いい?手袋した?」
「今付けてんだよ…!!」
空澄がルナに用意させた、牛乳が腐ったような匂いを発しているトイレ掃除用のゴム手袋を、もたもたと装着した。
うわっ…ヌルってした!!!
「もたもたしてると焼けちゃうよー」
「ならテメェでやれや!!」
一人涼しそうな顔で、大きな羽を広げて宙に立っている天使に怒りをぶつける。
だが、またしてもそれを鼻で笑った空澄は、
アメリカ人が良くやるあのポーズ、肩をすくめ、両手を顔の高さで一度上下させるアレをやって首を振った。
「やれやれ…。見て分からないのかい?
この羽でそんな炎の傍に寄ったら、真っ黒焦げになるに決まってるじゃないか。
僕は七面鳥じゃないから、焼いても美味しくないしね!!HAHAHAHA…☆」
下手なジョークと共に燃えちまえと思った。