ドーンッッッ!!




「そこー!イチャこいてないで、仕事仕事!!」



微笑み合っている俺たちに、逆恨みともとれる空澄の怒声が聞こえて来る。



「わぁってるよ!!」



「ふふ…ッ。じゃあ、もうひと頑張りですねっ」


ルナに手を引かれ、一旦地面に降り立つ。



そこで俺は、空澄に指示され、非難させていたボンベの様なものを抱えてから、また魔法陣に乗った。



そして、未だごうごうと燃えあがる科学室の前に移動する。



「いい?手袋した?」


「今付けてんだよ…!!」



空澄がルナに用意させた、牛乳が腐ったような匂いを発しているトイレ掃除用のゴム手袋を、もたもたと装着した。


うわっ…ヌルってした!!!



「もたもたしてると焼けちゃうよー」



「ならテメェでやれや!!」



一人涼しそうな顔で、大きな羽を広げて宙に立っている天使に怒りをぶつける。



だが、またしてもそれを鼻で笑った空澄は、


アメリカ人が良くやるあのポーズ、肩をすくめ、両手を顔の高さで一度上下させるアレをやって首を振った。



「やれやれ…。見て分からないのかい?


この羽でそんな炎の傍に寄ったら、真っ黒焦げになるに決まってるじゃないか。


僕は七面鳥じゃないから、焼いても美味しくないしね!!HAHAHAHA…☆」





下手なジョークと共に燃えちまえと思った。





< 161 / 188 >

この作品をシェア

pagetop