ドーンッッッ!!




ジョークをスルーされて怒っている空澄をシカトして



ボンベの蓋を取り去った。



「良いぞ、ルナ」


「はい」



合図と共に、彼女は直径10メートル程もある、大きい魔法陣を作り科学室めがけて放つ。


その魔法陣が通った後から炎が消えていくのを確認した俺は


鎮火した部屋の中に静かに降り立った。



黒く焼け焦げた壁や机。



その真ん中で、ガンノードと思われる物体が、大きな腕を振り回して暴れていた。



赤い光が灯っていない。



もしかすると、目が見えない状態になっているのかもしれないな。



出来るだけ近くに寄ってから、液体の入った容器を、ガンノードめがけてころがした。



『!?』


ゴロゴロと転がる容器の音で、振りまわしていた腕を止め、音のする方向を探り始めたガンノード。



だが…



もう、そこから動けない。




「……悪いな、ちょっとだけ 我慢しててくれよ」



俺が転がしたのは、液体窒素の入った容器だった。


液体化した窒素は、触れたものを一瞬で凍らせてしまう。


ガンノードも例外ではなかったらしく、足元の一部だけではあるが、凍ってしまった部分は自由に動かせない。



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