ドーンッッッ!!
「こちらのイケてるお兄さんは…どなたでせう…」
さっきからちらちらと視界には入っていたのだが、突っ込むのも恐ろしい程のオーラが渦巻いている。
タイミングを見計らって、お兄さんが、懐からスルメを取り出した瞬間
やっと話題に出そうと思えたのだった。
「ああ、これが僕のお師匠様。死神だよ」
ニコリッ…って!!天使の微笑みで、なんと言うジョークを!!
「シクヨロー」
え、否定しないんだ?って事はマジモン?リアルに?死神?
ってか…シクヨロて!!業界人DETHか!?
「何コイツ。急に黙っちゃったけど」
「あー。きっと今、脳内ツッコミが収拾つかなくなってるんだと思います」
「へー。……スルメ食う?」
謹んでお断りさせて頂きます。
…でも、本当に死神には見えん。街中にフッツーに居そうな若者じゃないですか。
夜だっつーのにサングラスしてるけど…。キャップの上に大きめのフードを被り、全身ダボダボな服を着ていらっしゃる。
チラリと見えた首元のタトゥーは、右目からバラが生えてるスカルだし
これで咥えてるのがスルメじゃなかったら、完璧職質引っかかっちゃうね。
「えと…。本当に死神なん…ですか?」
自分でもおどおどした声だと思ったが、出てしまった物は仕方が無い。
大人しく、くっちゃくっちゃとスルメを食む強面のお兄さんの返答を待った。
「見ての通り死神っちゃってますけど?」
え……ええーーー!!
死神っちゃってるんスかーーー!!!?
も…ダメだ…。突っ込みのキャパを遥かに超えてしまっている!!