ドーンッッッ!!
「ここは、どこの高級ホテルでおますか???」
8畳一間(キッチン、バス、トイレは別)の部屋が
20畳はゆうに超えている、豪華な部屋へと生まれ変わっていたのだった!!!
「…なんですか、この異様な光景は…」
この雰囲気に似つかわしくない、ぼろっちい布団に座っている彼女に恐る恐る声をかけてみる。
「はいっ。僭越ながら、空間を広げさせていただきました!!」
「いや、全く持って意味が分からないのですけれど…」
呆然と立ち尽くす俺に、『よいしょっ』なんて掛け声とともに立ちあがった彼女が駆け寄ってくる。
「あの…失礼だとは思ったのですが…。先ほどのお部屋では何かと不都合があるのではないかと思いまして。
窓からも冷たい風が入り、貴方の健康を及ぼす菌類が部屋中に蔓延していたものでしたから…。
あの…
ご迷惑でした?」
しゅん、と顔を歪ませ、上目づかいで俺を見上げてくる彼女。
混乱の中に、小さな疼きを感じたが 今はそれどこれではない。
「いや、迷惑ではないんだけど…。
そういう事じゃなくって、ちゃんと説明してくれる?
ってか、夢???」
「夢ではありません。
…真面目に、お話 聞いて頂けますか???」
まだぼーっとしている頭に喝を入れ、近くにあったふっかふかのソファーに二人で腰を下ろした。