ドーンッッッ!!
俺たちが穏やか~な空気を纏っている事に気付いたアイユ達は、驚いた顔で顔を見合わせる。
静まり返ったこの部屋では、一心不乱に暴れるブラスカさんの、木の棒が風を斬る音しかしなくなった。
「えーと。これはどういう事かな?」
顔を引きつらせて、光夜さんが空澄に向かって説明を求めた。
「どういう…って。…説明すると長くなるからヤダ」
プイッとそっぽを向いた空澄に、益々口元をピクつかせる光夜さん。
「あっ…あのですねッ」
ルナがそこに割って入っておおざっぱに説明をすると、皆目を丸くして聞き入っていた。
一通り説明を終えると、眉間に指を当てて『ハァ~』とため息を吐いた光夜さんが話をまとめた。
「…つまり、こういう事かな?
そこの囮がガンノード抹消の任務を邪魔した揚句、ガンノードにも言い分があると寝ぼけた事を言っている…と」
「…別に寝ぼけてるわけじゃねぇよ。ただ、弁解の余地も与えず、こうやって頭から食ってかかるお前らにムカついたんだっての」
「それが寝ぼけているという事だ。
いいか?ガンノードは天界をも揺らがす、最高に最悪な要注意人物なんだぞ!
それを防ぐために抹消する事が何か問題があるというのか!!?」
「じゃぁよぉ。そうやって事情を聞かないまま殺す事は頭から食ってかかるとは言わねぇのかよ。殺す前に話くらい聞いてやっても良いじゃないのかっつってんだろーが!」
バチバチと火花が散るかの如く、ガンをつけ合う俺達。
コイツ、本当にムカつくな!!
「まぁまぁ…。
光夜もさぁ、話聞いてたら分かるでしょー?
太陽の怪我を直したのはルナとガンノードなんだよ?
意志も無く犠牲者を出し続ける様な人なら、そんなことしないんじゃないの?」
空澄が俺達を引き離しながら、光夜を説得し始める。