ドーンッッッ!!
「えと…。まず、キミのお名前は?」
唐突かとも思ったが、いつまでも『キミ』では何だか申し訳ない。
彼女は嫌な顔一つせずに質問に答えてくれた。
「はい。ルナ・ジュランクと申します」
「えと…じゃぁ、ルナ でいいよね?
俺は 堤です。堤 太陽」
「タイヨウ…。では、私も タイヨウ と呼ばせて頂きますね」
ニコリと笑った彼女に、心臓がまた暴れだした。
女の子に名前で呼ばれたのって、いつ以来だろう。
顔が赤くなるのを感じながら、彼女にきちんとした説明を受ける事にした。
「では先ず。
先ほどの話の続きになるのですが
『クィーンベルド』は、こことは別次元の世界に存在します。
詳しいお話はまた後にするとして…。
私たちの住む星のことは、『アローマデンク』と呼んでいます。
そこには、魔法使い達が住む地域を含め、大きく3つに分かれて地域が存在するのです。
先ず私達魔法使いの住む地、『クィーンベルド』。
全くその力を持たないが、武器を身体の一部に宿す人たちの地、『ノーニ』。
そしてその狭間には、普通の身体だが知恵に長けている人たちが住む『ガンマ』。
今まではその3人種しか存在する事はなかったのですが…。
ある日、『ノーニ』の地から、その全ての人種とは異なる存在が発見されたのです。
『ガンノード』。私たちはそう呼称します。
魔法が使え、身体全てを武器で包み 卓越した知恵がある。
私たちはその異形を恐れ、捉えようと試みましたが
ガンノードは魔法で時限を歪め アローマデンクから逃げ出したのです」