ドーンッッッ!!
千堂ハルナです!
ピチュピチュと小鳥が囀る、清々しい朝…
という様な恵まれた環境に俺は住んでいない。
正確には、げぎょっげぎょっなんて、気色の悪い鳴き声を発するカラスたちが飛び交う
ゴミ捨て場が程良く近くにある廃れた街。
都会には違いないかもしれないが、出来る事なら前者の様な、心まで清らかになる場所に住みたいと何度願った事か。
そんな不満を頭の隅で考えながら、ジリジリと耳障りな目覚まし時計を止めた。
……やはり、夢ではなかったか。
いつも目を開けると見える、変なシミが点々と散らばる天井ではなく
真っ白な、シミ一つない天井がそこにはあった。
夢だったらどれだけ幸せか…。
自分の置かれた現状を思いため息を吐きながら立ち上がる。
弁当、作らないと。
購買でパンを買って食える程の手持ちは無い。
その上、食費がかさむ原因が増えたのだ。これからは切り詰めていかなくては。
バイトも始めようかな。
…はぁ。何だか16にして、家計を支える主婦の様な気持になって来た。