ドーンッッッ!!
俯く俺を暫し眺めていたルナは、エプロンの下に着ている俺のスウェット(貸した)のポケットから
札束を取り出してテーブルの上に置いた。
「これで足りませんか?」
足りないなら…と、またポケットから札束を取り出し始める。
「いや、いや!!足ります!!足りすぎてます!!
これって何のお金?ってか、俺のスウェットは猫型ロボットの道具入れか?」
「あ、あのアニメは神ですよね」
え、知ってるんだ。ってそこじゃなく!!!
「まさか魔法で金出してる?それって犯罪じゃ…」
もしそうなら、やめさせなければ犯罪を加担したと疑われる羽目に…
神妙な面持ちで尋ねると、ルナは明るい笑顔で否定してくれた。
「まさか!!これは、換金したんです。
えと…“金”という物質が、この世界では大変価値のある物として有名ですよね?
書物で勉強しました。
クィーンベルドではそれと同じものが大量に発見されるのです。
ですから、滞在費としてこちら側に少し送って貰ったんです。ほんの10キロ程」
え、10キロって。
米じゃないんだから…
「…にしても、良く買い取ってくれたよな。ああいうのってどこで売れんだ?」
「えっと…“質屋”と言う所で“金”の文字を見つけて、入ってみたんですけど…。
そこで髪の無いオジサンが、『寺田組』という所に行けば買ってくれると紹介してくれて…」
「待て待て待て!!!ストップ!!!」
寺田組ったら、この辺でも有名なヤーさんのお宅ではなかろうか!!!
そんな裏の世界に住まわれる方々と接触するなんて…!!
知らないって、怖い!!