ドーンッッッ!!
しかし…
周りの…特に男の視線がぶすぶすと突き刺さるのを感じる。
それは先ずルナに向けられる。髪の色が一番最初に目につくようだが、すぐに彼女が見たこともない美貌を持っている事に気づくみたいだった。
そして、その後は隣に居る粗末な顔の造りをした俺に怒りと嫉妬の入り混じった視線が。
すみませんねぇ…お似合いじゃなくて!
「タイヨウ?
私、先生にご挨拶をしてきますので、タイヨウは先に教室へ行っていて下さいね」
「へ?」
ああ、もう学校に着いていたのか。
またしてもスカートの中をちらりと見せながら、ルナは元気に駆けてゆく。
下駄箱の前でその余韻に暫し浸った後、履き古した内履きの中に足を突っ込んで教室へのろのろと向かった。
俺のクラスへ向かうには、C組の前を通らなければならない。
毎朝の事だが、ホント…気が滅入る。
あ、ほら。いつもの靴の音が…
とっとっとっとっとっと…
がらッ!!!
「堤クンッ!!あの女はなんだ!?あんな趣味の悪い髪の色をした女と、どういう関係なんだい!?」
出た。出ました。
成績優秀の眼鏡野郎、大門侍 京太郎(ダイモンジ キョウタロウ)。
何故か俺に好意を持っているらしい…。
いや、好意と言うにはあまりにも度が過ぎていると思うのだが。