ドーンッッッ!!



「へっ?べ…別に良いけど……」


「良かったー!」


嬉しそうににこにことしている空澄。中学に通えていなかった分、友達を作る事に一苦労したのだろう。…うん。分かる。それは分かるんだけど…


恥ずかしい。



「あ…空澄?えっと…普通は『友達になって』って言われて友達を始めるなんて、あんまりないぞ?」


「え…そうなの?」


「えっとー…。たぶん、話してるうちに自然に友達になると思う」


「でも…それじゃあ、いつから友達になったかわからなし、お互いが本当に友達として見ているかどうかわからないよ」



えーー…。まぁ、そうだけど…。


…それに、自分じゃ普通って思ってる事が人には普通じゃないと思う事なんてざらだしな。


嬉しそうにしてる空澄を見たらそんな論議なんてどうでもよく思える。



「じゃ、堤君。移動教室だし、行こうか」


ドアを指差しながら微笑む空澄に、俺からの一言。



「太陽」



「え?」



「『え?』じゃねーよ。

友達なんだろ?俺だけ名前で呼ばせておいて、自分は“堤君”じゃおかしいって。


名前で呼べよ、空澄」




………え!?何!?

なんで泣きそうな顔になってるのですか!?


あ、カッコつけた言い方だったから!?ダメだった!?キモかった!!??


言いながら『俺、青春マンガの主人公っぽい』とか思っちゃったのがいけなかったのでしょうかー!?


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