ドーンッッッ!!
沈黙する俺とルナの顔を交互に見ている空澄。
すると――深刻な顔をしたルナが、重い口を開いた。
「記憶を、消しましょう」
「は!?ちょ…ちょっと待てよ!
何でそうなる!!俺は知っていても大丈夫なんだろ!?俺が良くて空澄がダメな理由が分からない」
それに、記憶を消す って、変な影響とか出るかもしれないじゃないか。
他のクラスメイト達だって…本来なら魔法の影響なんか受けなくっても良かった筈なのに。
「…これ以上、他のやつらの記憶操作なんかさせたくねーよ」
「タイヨウ…でも、それじゃぁ…巻き込む事になりますよ?」
「―――!!」
そう…か。でも、それは…
「空澄に決めてもらうしかないだろ…。
俺は、知りたい奴には知る権利位あると思う」
俯いていた顔を空澄に向ける。
戸惑っていると思っていた彼は、意外にもまっすぐな目で俺を見つめていた。
「僕、どんなことだって…耐えられるよ。
それがどんな秘密だって、友達の為なら 何だってできる。
だから―――――。話してくれないかな」
凛とした顔だった。
それは決意の表れにも、何かから吹っ切れたようにも見える表情だった。