ドーンッッッ!!
一瞬、俺の中の獣な感情が芽を出しかけたが
昨日習った新しい数学の公式をお経の如く唱えて色んな感情を押し殺した。
とんだ我慢大会になりそうだな。
「さ、こんなことしてる場合じゃないのです。もうご飯を食べないと学校に間に合わなくなります!」
彼女はするりと俺とシーツの間から抜け出して、さっさと部屋から出ていった。
その後ろ姿を見て、無性に腹が立つ。
ルナは俺なんかを男として見てないってことなんじゃないだろうか。
だから平気で俺と暮らせるんだ。だから顔色一つ変えずにいられるんだ。
イライラする。
腹が立って、仕方が無い!!
早々に着替えを済ませ、顔を水だけで乱雑に洗い
「あ、コレお弁当です。ご飯も食べちゃってくださいね」
笑顔でそう言ってくるルナの前に立つ。
この顔。このなんにもわかってない様なお気楽な顔!!
ムカつく、ムカつく!
見てるだけで胸が苦しくなる位、ムカついてるんだ。
「タイヨウ…?」
ピンク色したその口も、俺を見つめる大きな瞳も
全部、皆、全て
ぶち壊してやりたくなった。