ドーンッッッ!!
「全裸?ぶごっ!!」
「…俺の右の拳を唸らせるとはいい度胸だ…」
聞いて損した。そしていつからコイツはこんなキャラになり下がったのだろうか。
鈍い痛みを感じる右手で、失神している空澄の首根っこを掴み 先を急ぐ。
暫く歩くとルナがピタリと足を止め、飾ってあるマネキンを舐めまわすように見始めた。
「…細い…。この人、ピクリとも動かない…。そしてカッコいい…!!」
何か聞こえた気がするがシカトしておこう。
「………ここ…入る…?」
「…はい。是非この人のファッションに近づける女になりたいです」
「いってら~」
俺は相当重い荷物があるからな。その辺で待っている事にしよう。
…と思ったのだが。
「何言ってるですか。キミも来るのですよ!カモーンです」
「…似合う服……選んで…」
「え!ちょっと…コイツどうするんだ…」
「ダイジョーブでーすよ。その辺置いとけば良いです。邪魔だし」
え……!!何この子怖い!!
でも両脇を女の子に挟まれ、腕にギュッとしがみつかれるとその…柔らかいものがですね、僕の理性を…!!
結局、入口の壁にもたれるようにして気絶する空澄を置いて店内へ。
「あ!コレが良いです!コレにしましょう!!おねーーさぁーーん!!
お金はいくら払えばいいですか!?ピン札で50枚はあるです!!」
「コレ…試着…」
「わーーーー!!お客様!ここで脱がないでください!」
……やっぱり空澄と一緒の方が良かったかもしれない。