ドーンッッッ!!




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「……疲れた。死ぬ。疲れ死ぬ!!」


「それを言うなら過労死だろうね」



……もう女と買い物するのは沢山だ。


5階まである店内をくまなく回り、何を考えたのか『やっぱりさっきのバックが欲しいです』などとバカな事を言い始めまた3階に戻ったり1階に行ったり……。


それで結局買わなかったオチを5回は体験している。


今カフェテリアに来れたのも、俺がしつこく休憩しようと言っていたおかげだ。


「はぁーー!!楽しかったですね!お買い物~」


「……同感…」


「良かったね。僕は半分くらい記憶がないけど」


「…そのおかげで俺はお前を背負いながら両手に荷物を持つ羽目になったのだが?」


「だってそれは太陽が僕を気絶させたからじゃ…。いえ。なんでもございません」



こんな言い合いしてても体力が削られていく気がする。


11時に店に入ったのに、もう夕方…。



人の為にこんなに時間を使うとは、何だか損した気分だ。


これなら家で寝て居た方がよっぽど有意義なのではないだろうか。



「さて!お腹も膨れた事ですし!もう一か所行かなきゃならない所があるので行ってきます!」

行こう! とアイユの手を取り、また散策へと繰り出そうとするルナ。


「おい、また行くのか?もう俺は歩けないぞ」


「良いんです!タイヨウ達はここでのんびり愛でも語り合っていて下さい!」


「は?おい…ちょ…。ああ、走って行っちまった。…早く帰って眠りたいのに!!」


がくりとテーブルに身体を預ける。


何だか泣きたくなってきた。うん、今なら泣ける。



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