ドーンッッッ!!
大きくため息を吐いた俺だったが、次の瞬間
吐き出した息をまた肺の中に引き戻す事になった。
「ひぃっ!!?」
何を思ったのか、空澄が俺の手を握って来たのだ。
「おま…何を…!!」
「え?何って…。愛を語り合うんでしょ?」
「本気にするな!!」
幾ら女顔でも、俺の全身が“コレは男だ”と訴えてくるのだ!!
「きっと、僕たちなら素敵な家庭を築けると思うんだよね」
「もしその予想が当たるとしたら、地球に俺とお前の二人しかいない時だろうな」
「えー。酷いなぁ。…この前僕にキスしようとしてたくせにー」
「ばっ!!アレはだな!まだ知り合って間もない頃の事で…!!しかも誤解だ!
こんなに腹黒くて変態だと知っていたら友達になんて……」
「あははっ!またまたぁ~。冗談が上手いね。それはさておき…」
ダメだ…。コイツとは話が通じない…。
終始笑顔で、冗談なんだか真面目なんだか区別がつかない。
頭が良いのは分かるが、それがまた性格を歪めている気がしてならないんだ。
誰か…コイツの取扱説明書を…!!!
「…ねぇ、聞いてる?今とんでもなく真面目な話をしているのに」
「あ?」
空澄は俺の気のない返事に失笑し、ズルズルと氷の溶け切ったアイスカフェオレを飲み干すと
「例のメールの件だけど」
ゆらりとした笑みをこちらに向けた。