ドーンッッッ!!
ふわぁ… と欠伸一つ。
「何騒いでるですか?安眠妨害断固反対!!」
漢字にしたらとてつもなく読みにくい台詞を吐きながら
ルナが身体を起こした。
それにつられるようにして、アイユも目を覚ました。
「…お腹…空いた」
きゅるるる なんて言う可愛らしい虫の音が、アイユの腹から聞こえる。
何この子!可愛い!!
例えるならば…我が子の様な、妹の様な。
とにかく、面倒を見てやりたくなる可愛さはもう破壊力抜群です。
コレが母性本能!!?何俺目覚めちゃった!?
そんなくだらない悩みを、頭の中でエンドレスに展開している間に
面倒見のいい空澄がご飯を取りに行って 帰って来た。
「わーー!!早いです!まさか冷凍食品?レトルト?
でも、何でもいいです。私 味にはこだわりますが、添加物とかそういうのはどうでも良いです!!」
「あははっ!!かなりどうでもいい情報をありがとう。でもコレ、ちゃんと作ったみたいだよ。お手伝いさんが居たからね」
4人分のうどん。ちゃんと出汁から取ってるみたいだし、揚げたての天麩羅も乗っている。
「何?お手伝いさんって。家政婦?何か事件とかおきたりすんのか?」
「うちはそんなに危険な家庭では無い筈だけど。
家政婦さんって言っても、週に2回だけ来てくれるパートさん。
一応母も店を持っててね、ご飯とか掃除とかに手が回らないからって少しだけ手伝って貰ってるらしいよ。
…って言っても、殆ど母が家事をこなしてくれてるから する事と言えば、母が居ない間の僕の世話とか庭の手入れとか…その位かな?」
それでも、だ。家政婦という名の他人が家に使えて居るなんて…
想像すらできない。金持ってやっぱりすげぇんだな…。