ドーンッッッ!!

豹変












しまった。寝過ぎた。



いや、学校に行く分には余裕すぎる目覚めなのだが


前日の昼間から、次の日の早朝まで寝ていたせいで、何だか頭が痛い。


一応薬でも飲んでおくか。


まだ寝ているであろう同居人達に気をつかいながらリビングへと向かった。


ゆっくりとドアを開くと


「あれ?起きてたのか?アイユ」


「…………」


相変わらず無口な奴だ。それでも動作があるだけマシか。


本に目をやりながら、黙って頷く彼女に『ふーん』とだけ言い、



何処に置いたかも忘れた薬を探す。…ってか、勝手に部屋を改造する奴が居るせいでこっちは探し物もまともにできねぇんだっつーの。


ぶつぶつと文句を言いながら、手当たり次第 引き出しを引っかきまわしていると…



「何…探してる?」


分厚い本をパタンと閉じる音が聞こえた。


「あー…。寝過ぎたみたいで、頭痛薬を…。場所、知ってたりするか?」


「…………知ってる」


ああ、良かった。このままだと家中の引き出しを開ける羽目になる所だった。


ほぅ…っと安堵のため息を吐き、彼女が薬の在処を口にするのを待ったのだが。



「…………………」


「………………………えーっと…。場所、教えてもらえないかな?」


「こっち…」


あああああ…。ワンクッション置かないとダメなんですね分かります!!




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