ドーンッッッ!!
「…あの少年…。何か、隠しているんじゃないかと…私は思っている。
悪意は無い。ただ、知っている事を隠しているだけ…。
そう見えるのは間違いだろうか?」
「…アイユの、考え過ぎだ。空澄はそんな奴じゃない」
「…………そう。なら…いい」
否定する事で、自分の中に芽生えた疑心を打ち消したかった。
空澄は 重大な事を俺たちに言わない奴じゃない。
そう信じたかった。
信じれば信じただけ、裏切られた時の苦しみが大きくなるなんて事も知らずに。
「…はれぇ?どうしたんですか二人とも。早起きさんですねぇ。
待っててください、今ご飯の用意を…」
「……ルナ、私も…手伝う」
よたよたと歩きながら笑顔を見せるルナ。
無邪気でしかないその顔の裏では、一体何を思っているのだろう。
もしかしたら彼女も、空澄にあらぬ疑いをかけているのではないだろうか?
そう思ってしまったら、何だかまともに挨拶も出来なかった。
…バカみたいだ。
そう思う時点で、俺もルナに対して疑いをかけた事になってしまうのに。