ドーンッッッ!!



「…俺、風呂入ってくる。昨日、ずっと寝てたし…」


逃げるように、着替えを取りに戻ろうとした時。


「………ルナは私ではない。

私の考えがルナの考える事と一致するなんて事は、まず 無い。


…だから、さっきの私の考えのせいでルナにも冷たく当たるのならお門違いだ。


気分を害したなら、謝る…。だから、彼女にはきちんと接してやって」



アイユが、俺のシャツを引っ張りながら訴えて来る。



…全く。


「んなことは分かってるよ。…でも、一瞬でも『ルナまで空澄を疑っているのか?』なんて考えちまった。

それは俺も申し訳ないと思ってる。だから、風呂にでも入って考えをリセットしたくてだな…。まぁ、お前も悪気があって言ったわけじゃないんだし…。


悪かったな、冷たい言い方で」


照れくささを隠すように、彼女の綺麗な髪の毛をぐしゃぐしゃにしてやった。

だが、アイユは俯きながら一言も発しない。

え!!何!?怒ったの?もし嫌で泣いていたら俺、どうすれば……ッ!!


「タイヨウ…」


「はいぃぃ!!ごめんなさいッ!!?」



「ありがとう」



……笑った。



あのアイユが、笑った…!!!


なんつーの!?こう、聖母というか、天使というか…

とにかく綺麗な笑顔だぁぁぁァあああ!!!



…と、感動していたら、すぐにその笑顔は引っこんで いつもの無表情に戻ってしまった。


嗚呼…もっとその微笑みを僕に見せておくれ…?


この感動は、強いて言うならばきっと

草原で車いすに乗った金髪少女が立った時くらいの感動だ。うん、今なら泣けるぜ!!


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