ドーンッッッ!!
喪失
京太郎の教室を出た後、ずっしりと圧し掛かってくる“罪悪感”。
別に俺の事を忘れたわけではない。
性格も、俺以外にはあんな感じだって事は分かっている。
だけど…。その俺に対してのあの態度。
何かが喪失している。
「タイヨウ…。大丈夫?」
遠慮がちに声をかけてくる空澄に、『大丈夫だよ』と言いながら笑顔を返したが
それを見た彼は、益々顔を歪めた。
何、俺、そんなひどい顔なのか?
「やっぱり彼の様子がおかしかったんだね…?
僕は彼の事をよく知らないけど…、やっぱりガンノードが関わってるよ。
他の被害者も、何かが変わってるって聞いたし…」
「…だったら?
俺に何ができるって言うんだ?
そんな話を聞いた所で、俺には何の力もない。ルナみたいに魔法が使えるわけでもない。
京太郎の事は、俺の責任だ。でも…っ!
俺にどうしろって言うんだよ……!!」
ガンッ…
気付いたら、力いっぱい壁を殴った後だった。
だからと言って怒りが収まった訳でもない。
行きどころのない怒りが、身体中を駆け巡っているままだ。