ドーンッッッ!!
廊下に居た生徒たちが、何事かとこちらを見たが すぐに視線を外し、
噂話に花を咲かせ始めた。
「…とにかく、教室に入ろうか」
「…わりぃ…」
八つ辺りも良い所だ。こんなに気を使ってくれる空澄に当たり散らすだなんて、相当自分が憎いらしい。
扉を開け、中に入ろうとした時。
「謝るのは僕の方だよ、太陽…」
「あ?何言ってんだ?お前…」
ポツリと聞こえた謝罪の声。それは紛れもなく、おもっ苦しい空気の中に立つ空澄の声だった。
「何処にお前が謝らなきゃなんねー理由があんだよ。
ガンノードの仕業なんだろ?なら…」
「…ゴメン。そうとも言い切れないみたいだよ…」
「はぁ?」
訳が分からない。俺の知らない所で何かを隠してたという事か…?
それも、かなり重大な何かを。
そうでなければ説明がつかない。だが、俺は空澄を信じていたいのだ。
「ばっかじゃねーの?お前が今回の件に関わっているなら、何故俺たちに言わない?」
「…知られちゃいけない人たちがいるからだよ。その質問は、答えが見えてるでしょう?」
「なら、どうして俺たちと関わりを持った。お前は何をしたいんだ」
その質問には、唇をギュッと噛み締め、躊躇うようにしてから口を開いた。
「監視役…と言ったら良いかな?
“彼女”に関わろうとする人たちを監視下に置き、“上”に報告する。それが僕に与えられた役目だったから」