ドーンッッッ!!




青々とした芝生を踏みながら、着いた先は、旧校舎のすぐ側だった。


ここには滅多に人が近づかないし、校舎から俺たちの居場所が見えない点では良い隠れ場所と言えるのだろうが


何って言ったらいいか…その…


「薄気味悪ぃな…」


川岸でもないのに、枝垂れ柳が風に揺られてゆーらゆら…


ギャース ギャース と聞こえるのは、きっとカラスの鳴き声に違いない。



「…まあ、ちょっとの間だから…。我慢してください」



最後の台詞はきっと、両腕を抱え込むようにしてガタガタと震えるアイユに言ったのだろう。


彼女は呪文を唱えるように言葉を紡ぐ。



「…暗い怖い嫌い…!!!お化けなんて見えないんだから……!
そこに立ってるのは妖怪……!お化けなんて非科学的なもの…」



「え!!アイユさん、何か見えてるの!?」



ちょっと背筋が寒くなった瞬間でした。





「とにかく、僕の正体について、皆さんにお話しする時がやってまいりました。

はい、拍手ー!」


「何だそのノリは」


「えー…。そもそも、僕という人間の素晴らしさは…」


つっこんでみたのに無反応ってどういう事ですか。



「まぁ、完結に言うと 僕は天使です」



「……はぁ?」





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