Dandelion‐天使の翼‐
Chapter1
辺りは一面、暗闇。
遠くに、小さな街灯の光がチラチラ揺れているだけの、薄暗い公園。
こうなる事は、始めから何となく分かっていた。
「…っ…早く服脱げよ…」
目の前であたしを急かすのは、さっきクラブで知り合ったばかりの男。
「……ここですんの?」
あたしは、冷めた目で男を見つめた。
「っせーな。どこでも同じだろ?」
そう言いながら、男は貪るようにあたしの胸に顔を埋める。
香水と酒の混ざった匂いが、あたしの鼻をツンと刺激した。
ああ。それもそうか。
ホテルなんて、お金かかるしね。
なんて、
酒によって、動きの鈍くなったあたしの脳ミソはすんなりとこの状況を受け入れていた。