Dandelion‐天使の翼‐
「おはようございます…」
所々寝癖が付いているレオが、目を擦りながら出てきた。
「おはよう。」
「おはよー♪♪」
レオは、聞き慣れない声に目が覚めたのか、ハッとして目を丸くする。
「…はよ…ございます…?」
混乱しているのか、ユキの顔をまじまじと眺めるレオ。
「あたしの友達、ユキ。」
あたしがユキを簡単に紹介すると、レオは納得したように頷く。
「あの……トイレ…借ります」
レオはあたしに向かって言うとユキに軽く会釈をし、その場を後にした。
「…なにあれ…」
ユキはレオの背中を見送って、無表情で呟く。
「…弟。」
あたしはそう言うと、手元のタバコに火を点けた。