Dandelion‐天使の翼‐

寝転がった体が上下に揺れるたびに、頬をくすぐる芝生。


その青々しい匂いは、すぐそこまで来ている夏の訪れを感じさせた。





……もうすぐ夏かぁ。

今年の花火大会は誰と行こう。

そおいえばユキのやつ、今年も海行くって言ってたっけ…

車の免許更新しにいかなきゃ…

あれ、いつだったっけ。

あー。素麺食べたい

……………

……




ゆるくなった脳ミソで、色々な事を考えているうちに、いつの間にか情事は終了していた。


「お前、なかなか良かった」


ボーッとする意識の中、男はそんな言葉とあたしを置き去りにどこかへ姿を消した。
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