短編集 cafe an
ガタンッ!




勢いよく立ち上がった楢崎くん



急速に近づいてくる顔




え!?



な、ななに?


あまりに近すぎて思わず赤くなってしまうのがわかる


「好きです。尚子さん。」



チュッ!



一瞬…

ほんの一瞬の音のするキス



固まる私に
いたずらに微笑む楢崎くん


「これからは長期戦覚悟でガンガン責めますから。」



意味深な言葉に

働かない頭



すべては甘いチョコに満たされる

呆然とする私を1人残して楢崎くんは残りのホットチョコを飲み干す

「あ、ホワイトデーは期待しててくださいね。」


カップを揺らしてウインクする彼の肩越しに目に入った日捲り


“2月14日バレンタインデー”




雪の降り積もる静かな夜
すべては甘いチョコに満たされる







おしまい
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