母親失格



親は子供を愛する。



それは当たり前のことだと思ってた。




だけど世の中には自分のことで精一杯で子供に見る気もしない親が存在するなんて、しかも自分の身内にそんな愚かな大人がいたなんて、あの頃の私には想像もできなかった。




小さなころはあの家に行くのが楽しみでしかたがなかった。




年の近い従兄弟たちと遊びたくてしかたがなくて、休みのたびに出向いたものだ。




今思えば、ある意味あの頃が一番シアワセだったのかもしれない。




あの頃の私たちは大人は皆正しいものだと思ってた。



大人の汚さも責任のなさも何も見えなかった私たち。




もうすぐ18になろうとしている現在、私はそれが目について止まなくなった。




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