仮面の娘

悠治は、他のホストやお客達に事情を説明し、そのうちのホスト一人に、近くの店で食事を買ってこさせた。

幸い少女は、物を噛む力は衰えていなかったようである。

その日、悠治は早めに店を出ると、少女を自宅に連れて帰った。



「うぅ・・・あれ、ここは・・・？」
「気がついた？・・・大丈夫？」

少女は翌朝、悠治の自宅のリビングで目覚めた。

「お兄さん、私・・・」
「悠治さんでいいよ。・・・君、名前は？」
「・・・朝菜琴音(あさな・ことね)です」
「琴音ちゃんか・・・いくつ？」
「１９です。この前、高校卒業したばかりで」
「そっかぁ・・・琴音ちゃん、話があるんだ。店に一緒に来てくれる？」
「・・・はい」