片腕の人形
「…マジで事件に巻き込まれてたり…」

「可能性はあるね」

三澤は電話越しに溜め息をついた。

「一応警察に連絡しといたほうがいいのかなぁ」

「う~ん。早まんなくてもいいと思うけどな…」

俺はカーテンを開けた。外は真っ暗。

「お前、夜更かしでもしたのか?」

「は?あたしはいつもこのぐらいの時間におきるけど?」

早いな…。俺にとってそれも異常だ。

「今日、英明の家に行こう。それでいなかったら警察に連絡それでどうだ?」

「わかった。じゃあ、あたし家に近いし、昼ごろ優衣誘って行ってみるね」

「おう…じゃあ任せる。俺は寝る」

「あんたも呼んだろ来いよ!」

「はいはい…」

「ホントだろうな。もし電話にでなかったら…」

ピッ。

俺は通話をきった。

もう一度時計を見る。

6時5分…。

「あと、二時間は寝られるな…」

俺は布団をかぶって浅い眠りについた。





「ピィイイーーーーー!」

この奇妙な音…もとい俺の着メロが原因で俺の目は覚めた。

「この『野鳥の鳴き声』…やめようかな」

俺は頭をボリボリかきながら携帯を取った。

「また三澤か…」

俺はメールをひらく。


『これ見て、起きてたら、すぐ電話して』


絵文字も一切ない。なんだか怒ってるような、真面目のような文だ。

「なんだ…」

俺はとりあえず、三澤に電話した。

「トゥルルル…トゥルルル…」

…なんだ、電話しろと言っておいて出ないじゃないか…。




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