片腕の人形
「トゥルルル…トゥルル、ガチャ」

「お…」

どうやらでたみたいだ。

「三澤?」

「ああ、真か…」

「真かって呼んだのお前だろ、どうしたんだよ」

「…」

三澤は黙っている。

「…?…英明いたか?」

「…なぁ真」

「うん?」

「驚かないで聞いてね」

「うん」

「英明が…」

三澤の声は震えていた。



「死んでた」



シンデタ。

その言葉は俺には理解できなかった。

「…は?」

三澤は黙ってる。

「え…は…?」

俺は状況がよくわからなかった。

「…死んでたって…はっ冗談でいってんだろ?」

「…だといいだけどね」

三澤は小さく言った。

「本当なんだ…。さっき優衣と家行ったらさ、ドア開いてなくて…」

三澤は深く息をした。

「窓から…覗いてみたらさ…英明、うつ伏せになってて…血が…」

「…まじ…か…」

「うん…窓は…あいてて…確かめたんだけど…」

最後のほうは半分泣いていた。

「冷た…くて…」

俺の頭は真っ白だった。

「う…そだろ…」

俺は全身の力が抜けて崩れ落ちた。

「救急車は呼んだんだけど…多分だめだと思う…脈が…」





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