片腕の人形
会心のできぐあいの朝食を食べて、帰り支度をしているとき、優衣がみんなを集めた。
「みんな集まって!」
優衣が声を上げる。
「はぁ~ん?」
俺らが優衣に近づくと、優衣は小さな袋を渡してきた。
「はい、荒崎くん。これ」
「え?」
俺はちょっと驚きながら袋の中身を見た。
中に入っていたのは、5つの人形が入っていた。人形の顔はみんな俺、健志、英明、三澤、優衣にそっくりだった。
「あ…これ…」俺は声を漏らす。
「すっご!俺にそっくりじゃん!」健志が感嘆の声を上げた。
「あんまり似てないけど…みんなに5つずつ」
優衣は少し顔が赤かった。
「こんなにたくさんよく作れたねぇ~。えらいえらい」
三澤は優衣の頭をポンポンとたたいた。
「ほんとにすごいできだ。よくやったなぁ」
英明は人形を見ながら言った。
「ありがと。がんばった甲斐があったよ」
優衣は照れ臭そうだった。
俺は優衣に笑顔で言った。
「サンキューな!大切にするよ!」
「ああ。ありがと!」健志もお礼を言う。
優衣は嬉しそうに言った。
「ずっと友達だよ。みんな」
優衣の言葉にみんながうなずいた。
ちょっとクサイけど別に悪い気はしなかった。
そのとき俺らは健志の話をすっかり忘れていた。
つまらない冗談だったし、気に留めるところはなにもない。
でも…あの話を聞いて、冗談だと思わなかったら、あの片腕の人形を思い浮かんだだろう。
あの人形を、山に捨てておけばよかったのかもしれない。
「みんな集まって!」
優衣が声を上げる。
「はぁ~ん?」
俺らが優衣に近づくと、優衣は小さな袋を渡してきた。
「はい、荒崎くん。これ」
「え?」
俺はちょっと驚きながら袋の中身を見た。
中に入っていたのは、5つの人形が入っていた。人形の顔はみんな俺、健志、英明、三澤、優衣にそっくりだった。
「あ…これ…」俺は声を漏らす。
「すっご!俺にそっくりじゃん!」健志が感嘆の声を上げた。
「あんまり似てないけど…みんなに5つずつ」
優衣は少し顔が赤かった。
「こんなにたくさんよく作れたねぇ~。えらいえらい」
三澤は優衣の頭をポンポンとたたいた。
「ほんとにすごいできだ。よくやったなぁ」
英明は人形を見ながら言った。
「ありがと。がんばった甲斐があったよ」
優衣は照れ臭そうだった。
俺は優衣に笑顔で言った。
「サンキューな!大切にするよ!」
「ああ。ありがと!」健志もお礼を言う。
優衣は嬉しそうに言った。
「ずっと友達だよ。みんな」
優衣の言葉にみんながうなずいた。
ちょっとクサイけど別に悪い気はしなかった。
そのとき俺らは健志の話をすっかり忘れていた。
つまらない冗談だったし、気に留めるところはなにもない。
でも…あの話を聞いて、冗談だと思わなかったら、あの片腕の人形を思い浮かんだだろう。
あの人形を、山に捨てておけばよかったのかもしれない。