人差し指を唇にあてて…
Secret2
瞬の心が”無”になってる間、私は瞬の腕を引っ張りながら歩く。
5分ぐらい経つと瞬の心は回復して、元通りになった。
「はぁ、はぁ、お父さん」
車庫へつくともうお父さんはリムジンの助手席に座っていて、私が声をかけると、車から降りてきた。
「遅いぞ。遅刻するのか?」
お父さんは待ちくたびれたようでちょっと怒っていたが決して怒鳴ったりはしない。
私にさりげなく怒っていることをアピールする。
「すみません。僕がモタモタしていまして」
瞬はすっかり元通りになった自分の心から謝罪の言葉を口にする。
「瞬、たとえそうであっても桜は瞬を待っていたのであろう?
人を待たせるっていうことは相手にたいしてすごく失礼な事だ。
桜はそれを分かっていて瞬を待っていたんだ。桜にもその責任がある。
だから瞬、私に謝るのはいいが桜にも謝るようにな」
お父さんはそう言って瞬の肩をポンっとたたくと車に乗り込んだ。
「桜様、申し訳ありませんでした」
「いいよ。じゃ早く学校行こ?」
「はい」
私達が車に乗るや否やお父さんがすごい勢いでハンドルを回したので、ものの5分もたたないうちに学校へ着いた。
チャイムが鳴るまであと約2分の学校はすごく静まりかえっていた。
瞬はありがとうございましたっと言ってから車から降り、素早く反対側のドアを開けて私を降ろしてくれた。